「毎日のように怒られて、自分は仕事に向いていない気がする…」
「同期は褒められているのに、自分だけ注意されている。」
「会社に行くのが怖くなってきた。」
新卒として働き始めると、このような悩みを抱える人は決して少なくありません。
私自身、人事として新卒社員の面談を担当してきましたが、「怒られてばかりで自信がなくなりました」という相談は毎年のようにあります。
しかし、人事の立場から見ると、本人が思っているほど深刻ではないケースも多くあります。
もちろん、理不尽な叱責やパワハラは別問題。
ですが、多くの場合は「期待しているからこその指導」であり、怒られていること自体が評価の低さを意味するわけではありません。
この記事では、現役人事の視点から、「新卒で怒られてばかり」と感じる理由や、人事が本当に見ているポイント、落ち込んだときの考え方について詳しく解説します。
新卒が怒られやすいのは珍しいことではない
まず知っておいてほしいのは、新卒が怒られること自体は決して珍しいことではありません。
社会人1年目は、学生生活とはまったく違う環境です。
覚えなければならないことは想像以上に多く、誰でも失敗を経験します。
- 仕事の流れを理解する
- 社内ルールを覚える
- メールや電話対応を身につける
- 報連相のタイミングを覚える
- 優先順位を考えて行動する
- ビジネスマナーを実践する
これらを数ヶ月で完璧にできる人はほとんどいません。
だからこそ、上司や先輩から指摘を受けながら、一つずつ覚えていくのが普通なんです。
「怒られた=能力がない」ではなく、「まだ成長途中」というケースがほとんどです。
「怒られる」と「叱られる」は少し違う
ここで、一つ知っておいてほしいことがあります。
実は、「怒る」と「叱る」は同じように見えて意味が異なります。
怒るのは感情をぶつけること。
叱るのは、相手の成長を願って改善点を伝えることです。
もちろん、職場では感情的に怒鳴るような指導は望ましくありません。
しかし、多くの上司は「次から同じミスをしないように」という思いで指摘しています。
本人は「怒られた」と感じていても、上司からすると「仕事を教えている」という感覚であることも少なくありません。
この認識の違いが、新卒を必要以上に落ち込ませてしまうことがあります。
人事の本音|怒られている=評価が低いではない
人事として採用や育成に携わっていると、「怒られている人=評価が低い」と考えている新卒が本当に多いと感じます。
ですが、実際はそうとは限りません。
むしろ、期待しているからこそ時間をかけて指導しているケースも多いのです。
上司も忙しい中で、一人ひとりに時間を割いています。
改善してほしいと思うからこそ、具体的にフィードバックをしているのです。
逆に注意されなくなった場合は、「もう何を言っても変わらない」と諦められている可能性もゼロではありません。
もちろん、何でも我慢すれば良いという意味ではありません。
ただ、「注意された=嫌われた」と決めつける必要はないということです。
同期より自分だけ怒られているように感じる理由
新卒からよく聞くのが、「同期は怒られていないのに、自分だけ毎日注意されます」という悩みです。
ですが、実際には見えていないだけというケースも少なくありません。
同期も別のタイミングで指導を受けていたり、違う内容で悩んでいたりします。
また、人は自分が怒られた場面ほど強く記憶に残るものです。
心理学では「ネガティビティ・バイアス」と呼ばれ、悪い出来事ほど印象に残りやすいことが知られています。
そのため、「自分だけ怒られている」と感じやすくなってしまうのです。
実際の面談でも、「他の同期は完璧に見えます」と話していた新卒が、後日その同期からまったく同じ悩みを相談されることも珍しくありません。
周りと比べるよりも、自分が昨日より一つ成長できたかを意識する方が、気持ちも楽になりますよ◎
実際にあった新卒面談|「怒られた=向いていない」と思い込んでいたケース
ここで、私が実際に新卒社員との面談で経験したエピソードをご紹介します。
ある新卒社員から、こんな相談を受けました。
「教育担当から何度も注意されていて、自分はこの仕事に向いていないと思います。」
本人はかなり落ち込んでおり、「同期は順調そうなのに、自分だけ怒られている」「会社にも迷惑をかけている」と話していました。
そこで私は、教育担当にも状況を確認してみました。
すると返ってきたのは、本人が想像していたものとは少し違う答えでした。
「確かに何度か同じミスはありましたが、素直にメモを取って改善しようとしてくれています。だからこそ、今のうちにしっかり教えておきたいと思っています。」
教育担当にとっては、「見放したい社員」ではなく、「成長してほしい社員」だったのです。
そのことを本人に伝えると、とても驚いていました。
その後は、教わったことを自分なりにノートへまとめ、分からないことを早めに質問するようになり、徐々にミスも減っていったんです。
半年後には後輩のサポートを任されるほど成長し、自信を持って仕事に取り組めるようになっていました。
もちろん、すべてのケースが同じではありません。
ですが、「怒られた=向いていない」と決めつけてしまう新卒は、本当に多いと感じています。
怒られたときに意識したい5つのこと
怒られたときは、落ち込むだけで終わらせるのではなく、「次にどう行動するか」が大切です。
①指摘された内容をメモする
同じミスを繰り返さないためには、「何を改善すればいいのか」を整理することが重要です。
その場では理解したつもりでも、時間が経つと忘れてしまうことがあります。
メモを残しておけば、自分専用のマニュアルにもなりますよ。
②分からないことは早めに質問する
「また怒られそうだから聞きづらい…」と思う人もいますが、何も聞かずに同じミスを繰り返す方が上司は困ります。
勇気を出して質問することは、決して悪いことではありません。
③同じミスを繰り返さない工夫をする
チェックリストを作る、付箋を貼る、確認する順番を決めるなど、自分に合った方法を見つけましょう。
改善しようとする姿勢は、上司にも伝わります。
④完璧を目指しすぎない
新卒は「失敗しないこと」を目標にしがちですが、最初から完璧な人はいません。
大切なのは、失敗しないことではなく、失敗から学ぶことです。
⑤一人で抱え込まない
落ち込みが続くときは、信頼できる先輩や上司、人事に相談してみましょう。
第三者の視点が入るだけで、「思っていたより深刻ではなかった」と気づけることもあります。
こんな場合は「自分が悪い」と思い込まなくていい
ここまで「怒られること=成長のチャンス」とお伝えしてきましたが、すべての職場がそうとは限りません。
例えば、次のような状況なら、自分を責めすぎないでください。
- 人格を否定するような暴言を言われる
- 大勢の前で必要以上に怒鳴られる
- 質問しても教えてもらえない
- ミスを改善する機会を与えてもらえない
- 毎日のように恐怖を感じるほど叱責される
このような場合は、「指導」ではなく、職場環境に問題がある可能性があります。
無理に一人で耐え続ける必要はありません。
まずは人事や信頼できる上司に相談し、それでも改善が見込めない場合は、環境を変えることも選択肢の一つです。
人事が新卒に一番期待していること
最後に、人事として新卒のみなさんへ伝えたいことがあります。
私たちは、新卒に「最初から完璧に仕事ができること」を期待しているわけではありません。
それよりも大切だと考えているのは、次のような姿勢です。
- 素直にアドバイスを受け入れること
- 改善しようと行動できること
- 分からないことをそのままにしないこと
- 失敗しても前向きに挑戦し続けること
仕事ができる人も、最初はみんな初心者でした。
今活躍している先輩たちも、何度も注意され、失敗を経験しながら成長してきています。
だから、一度怒られたことだけで自分の価値を決めないでください。
人事は「怒られた回数」ではなく、「その後どう成長したか」を見ています。
まとめ
- 新卒が怒られるのは珍しいことではない
- 怒られているからといって評価が低いとは限らない
- 人事は改善しようとする姿勢を見ている
- 怒られた後の行動が成長につながる
- 理不尽な叱責が続く場合は、環境を見直すことも大切
新卒の時期は、覚えることも多く、自信をなくしてしまう場面がたくさんあります。
でも、一度怒られたからといって、「自分は向いていない」と決めつける必要はありません。
多くの場合、それは成長するための通過点です。
焦らず、一歩ずつできることを増やしていきましょう!!
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