「今日は午後に1件面接があるから、それまでに資料をまとめておこう」
「この候補者さん、こういう経験があるのか。面白いな」
そんなふうに準備していた面接が、開始時間になっても入室がない。
10分たっても、15分たっても連絡なし。
——あ、これ、来ないやつだ…。
面接を“ただの予定”として軽く見てしまうと、その裏で何が起きているのかに気づけません。
今回は、実際に面接をドタキャンされたときに感じた「人事のリアルな本音」を、包み隠さずお話しします。
1件の面接にどれだけの準備時間をかけているか知っていただき、面接をドタキャンする人が減りますように…!
面接って、どれだけ準備してるか知っていますか?
人事の仕事は、面接だけではありません。
応募者やエージェントへの連絡、社内スケジュール調整、書類選考、社内人事や人事評価の対応など…やることは毎日たくさんあります。
でもその中で、“1件の面接”のために、こんな準備をしています。
- 候補者の職務経歴書を読み込む
- 過去の選考履歴を確認する
- 聞くべきポイントや質問を整理する
- 場合によっては現場と面接の流れをすり合わせる
1回の面接のために使う時間は、前後含めて少なくとも1〜2時間。
これが1日に2〜3件入れば、それだけで業務の多くを占めます。
さらに、候補者の魅力を引き出すための「雰囲気づくり」も意識しています。
だからこそ、直前キャンセルや無断欠席は、ただの予定変更ではなく、「信頼関係の崩壊」なんです。
それでも人事は感情を殺して対応する
もちろん、どんなに残念でも、「連絡なしで来なかった」候補者に対して、感情をぶつけたりはしません。
ただ、「人事だって人間だよ」という気持ちは、伝えておきたいのです。
ドタキャンされた面接時間の間、他の予定は入れられません。
他の候補者の準備や社内の調整に使いたかった時間も、ぽっかりと空白に。
特に「連絡なし」「直前すぎるキャンセル」は、現場の信頼にも関わります。
面接は、企業側が一方的に“選ぶ”場じゃない。
お互いを知って、納得して入社するための「対話の場」です。
それを軽く扱うということは、相手の時間や労力を軽視しているということ。
志望度が低くても、“誠実な対応”だけはしてほしい
もちろん、「行くつもりだったけど急に体調を崩した」とか、「他社から内定が出て気持ちが変わった」など、事情があるケースも理解しています。
でも、それでも一言連絡があるかないかで、印象は大きく変わります。
たとえ辞退しても、「誠実な対応だったな」と感じられる候補者は、また別の機会に声をかけたくなるもの。
一方で、無断欠席された方は「この人とはもうないな」と思われても仕方ありません。
面接を大切にできる人は、どこでも通用する
私の経験上、選考がうまくいく人にはある共通点があります。
それは、「目の前の面接をちゃんと大事にしている人」。
事前準備や連絡、受け答えなど、どれも“信頼の積み重ね”です。
面接というのは、スキルや経験を見る場でもありますが、それ以上に「一緒に働ける人かどうか」を見極める時間。
社会人としての信頼や誠実さは、書類よりも、面接の姿勢に強くにじみ出ます。
まとめ:「その1件」の面接の裏に、人事の努力がある
面接をドタキャンされたとき、人事はただガッカリするだけではなく、「この時間で他の候補者をサポートできたのに」「現場にも申し訳ないな」と、いろんな感情を抱えます。
候補者の方に伝えたいのは、「選考に来られないのは仕方ない。でも、“誠実さ”だけは忘れないでほしい」ということ。
転職活動では、どんなに優秀な経歴よりも、信頼を築ける行動が評価されるんです。
どうか、これから面接を受ける誰かの参考になれば。そして、人事のリアルな本音が少しでも伝わりますように。
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