ポテンシャル採用のメリット・デメリットとは?現役人事が語るリアルな成功・失敗事例
こんにちは。
最近よく耳にするようになったポテンシャル採用。今回は、メリットとデメリットなどを踏まえて、現役人事のリアルな視点から解説していきます。
ポテンシャル採用の「スキルや実績ではなく、将来性を評価する」という考え方は、特に20代〜30代前半の求職者にとって大きなチャンス。一方で、企業側にも求職者側にもリスクがあるのも事実です。
この記事では、ポテンシャル採用のメリット・デメリットを両面から解説し、実際の成功・失敗事例も紹介しながら、あなたにとってポテンシャル採用が「あり」か「なし」か、見極めるヒントをお届けします。
ポテンシャル採用とは?
ポテンシャル採用とは、現在のスキルや実績よりも、将来の成長可能性・伸びしろに着目して人材を採用する方法です。
近年、特にIT業界やスタートアップ企業などで導入が進んでおり、経験不足でもチャレンジできる採用手法として注目されています。
こんな人が対象になることが多いです:
- 異業種からIT業界へ挑戦したい人
- 未経験だけど学習意欲が高い人
- 第二新卒や20代前半の若手層
ですが、可能性だけで採用した場合、企業とミスマッチが起きるケースもあります。
ポテンシャル採用のメリット
若手にチャンスがある
これまでスキルや経験不足で面接にすら進めなかった人でも、「やる気」「吸収力」「柔軟性」が評価されてチャンスを得られるのは大きなメリットです。
▼体験談(求職者側)
私は大学卒業後すぐに営業職に就きましたが、開発に興味があり25歳で未経験からエンジニア転職に挑戦。ポテンシャル採用枠で内定をいただき、今ではWebアプリ開発に携わっています。(27歳・男性)
企業にとって“育てる人材”を確保できる
ポテンシャル採用では、企業が文化や技術スタックに合った人材を育てていけるという点で、長期的な戦力化が期待できます。
▼体験談(企業側)
最初からスキルのある人より、素直で吸収が早い若手を育てたほうが社内に定着しやすいと感じています。実際、未経験で採用したメンバーが3年でリーダー職に成長しました。(ITベンチャー企業・人事担当)
多様なバックグラウンドの人材が集まる
異業界出身の人材が加わることで、チームに新しい視点や価値観が生まれるのもポテンシャル採用の強みです。
ポテンシャル採用のデメリット
育成コストがかかる
企業にとって最大のデメリットは、採用後の育成負担。OJTやメンター制度など、社内の教育体制が整っていないと、育成にかなりの時間がかかり、採用が裏目に出ることも。
▼失敗談(企業側)
未経験の若手をポテンシャル採用しましたが、育成リソースを割けずフォロー不足で退職…。教育体制の準備が甘かったと反省しています。(中小IT企業・採用担当)
求職者の期待値とのズレ
中には、「ポテンシャル採用=未経験でも優遇される」と勘違いして入社する求職者がいることも。思っていたより厳しい現実にギャップを感じるケースもあります。
▼失敗談(求職者側)
「未経験OK」と聞いて入社しましたが、思ったより放置されて自信をなくしました。最初に「自分で学ぶ覚悟が必要」と教えてもらっていれば…と後悔しています。(24歳・女性)
ミスマッチによる早期退職
求職者の成長可能性に期待して採用しても、実際にはモチベーションが続かない・学習意欲が低かったというケースは珍しくありません。つまり企業側としては、面接などで求職者のミスマッチをどれだけ解消できるか、が重要なのです。
成功するポテンシャル採用の共通点
- 企業側:明確な育成体制がある
- 求職者側:自己学習やキャッチアップに積極的
- 採用面接で、企業側・求職者側の双方で期待値のすり合わせができている
この3つが揃っていれば、ポテンシャル採用は企業・求職者どちらにもWin-Winになりやすいです。
現役人事が考える「ポテンシャル採用に向いている人・向いていない人」
実際に私がいる会社でもポテンシャル採用を導入しており、たくさんの求職者の方々と面接してきました。そして、採用後にしっかり活躍できる人(=ポテンシャル採用に向いている人)には、共通点があります。
向いている人
- 自己成長への意欲が強い
- 自分の強み・弱みを理解している
- わからないことを素直に聞ける
- 環境が変わっても前向きに挑戦できる
向いていない人
- 教えてもらうのが当たり前だと思っている
- 目的意識がなく「とりあえず転職」な人
- プレッシャーに弱く、継続的に努力できない
ポテンシャル採用は魔法ではありません。「将来性がある人材」であるための努力が必要です。
まとめ|ポテンシャル採用は“チャンス”でもあり“覚悟”も必要
ポテンシャル採用は、企業にとっては若手人材を確保するチャンスであり、求職者にとっては未経験でも挑戦できる入口です。
ですが、その裏には育成リスクや期待値のギャップという「デメリット」も潜んでいます。
成功するには、企業・求職者の両者が互いに歩み寄り、成長を支える土台を整えることが不可欠。
もしあなたが「経験が足りないけれど、本気で変わりたい」と思っているなら、ポテンシャル採用を狙う価値は十分にあると思います。
この記事が、あなたの次のキャリアを考えるヒントになればうれしいです。
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