転職理由はどう伝える?人事が教える“正直”でもOKな伝え方

転職理由の伝え方に迷っている 求職者向け

面接でほぼ確実に聞かれる「転職理由(退職理由)」。
特に初めての転職では、「転職理由は正直に伝えていいの?」「ネガティブなことは伝えない方がいい?」と伝え方が分からない人も多いのではないでしょうか。
この記事では、現役IT人事の視点から「転職理由の伝え方」について、例文やNG例も交えてわかりやすく解説していきます。

まず知っておいてほしいこと:「転職理由が100%ポジティブじゃなくてもOK」

転職理由の伝え方で大切なのは、決して“前向きな理由だけを言わなければいけない”という思い込みに縛られすぎないことです。
実際、人事として面接をしていると、「実は不満があって…」と話す方は珍しくありませんし、それ自体が悪い印象になるとは限りません。

むしろ、どんな不満や悩みを抱えていたのかを聞くことで、「この人はどんな価値観を持って働きたいのか」が見えてくることも多いんです。

例:
「残業が多く、家族との時間が持てなかった」
→ 一見ネガティブでも、「ワークライフバランスを大切にしたい」という価値観が伝わる話です。

ただし、それだけで終わってしまうと「働く意欲が低いのかな?」と誤解されるリスクもあります。
そこで大切なのが、「その経験を通じて、自分はどう考え、どんな働き方を望むようになったのか」まで伝えること。

伝え方の例:
「前職では残業が多く、家族との時間がほとんど取れませんでした。
今後は、メリハリのある働き方を実現しつつ、パフォーマンスも上げられる職場環境で力を発揮したいと考えています。御社では業務の進め方に個人の裁量があると伺い、自分にとって理想的な働き方ができると感じました。」

この伝え方だと、ポジティブな印象にガラッと変わりますよね!

NG例:ただの不満や悪口になってしまうパターン

よくあるのが、「上司が理不尽だった」「給料が安すぎた」「評価が不公平だった」といった、不満だけが前面に出てしまう転職理由です。
共感されやすいテーマではありますが、そのままの伝え方だと、「また同じようなことで辞めてしまうのでは?」という印象にもなりかねません。

もちろん、事実として伝えたいことがあるのは理解できます。
ですが、面接の場では「過去の愚痴」ではなく、「その経験から学んだこと」「次に活かしたいこと」を主軸にすることで、グッと説得力が増します。

おすすめの切り口:
・どんな環境や働き方が自分には合っていると気づいたか
・次はどんな価値観を大切にしたいと思っているか

おすすめ構成:3ステップで転職理由を組み立てよう

転職理由を論理的かつ前向きに伝えるためには、以下の3ステップを意識するのがおすすめです。

  1. 現職での悩み・課題(できるだけ事実ベースで)
  2. その経験から気づいた、自分が大切にしたい価値観
  3. だからこそ、次の職場ではどんな働き方がしたいか

この順番で伝えると、感情的な印象になりすぎず、あなた自身の軸が見えてきます。

構成例:
「現職では個人の営業目標ばかりが重視され、チームで協力しながら進めることが評価されにくい点に違和感を持っていました。
自分はチームで成果を出すことにやりがいを感じるタイプなので、今後は協調性を重視する組織で力を発揮したいと考えています。」

「正直に言ってもいいの?」→ 答えはYES(ただし冷静に)

「本音で話して大丈夫なのかな?」という不安を持つ方も多いですが、結論から言えば、転職理由を正直に伝えることはむしろ大事です。
ただし、冷静さと客観性を忘れずに。

面接官はあなたの“気持ち”よりも、そこから見えてくる“価値観”や“考え方”に注目しています。

NG例:
「上司の言い方がきつくて、毎日ストレスで…」
→ 感情にフォーカスしすぎると、「感情的な人」という印象になる可能性があります。

OK例:
「上司との業務の進め方にギャップがあり、仕事の進行に支障を感じる場面が多くありました。
今後は、柔軟なコミュニケーションを大切にする環境で、自分の強みを活かしていきたいと考えています。」

現役人事から伝えたいこと

転職理由は、単なる「辞めた理由」ではなく、自分自身のキャリア観や仕事に対する姿勢を伝える絶好のチャンスです。

ネガティブな要素が含まれていても大丈夫。
大切なのは、それをどう解釈し、次にどうつなげようとしているのか。
その姿勢が、面接官の目には「誠実で、自分の考えを持った人」と映ります。

そして何より、転職理由を偽って入社できたとしても、将来苦しくなるのはあなた自身。
大事なのは自分の”価値観”を認めてくれる会社を見つけること。
会社側も、ミスマッチが無いよう慎重に選考を行っています。
だから、型にハマりすぎず「自分らしい言葉」で、あなたの気持ちを丁寧に言葉にすること。それが一番、伝わります。

この記事が、あなたが「転職理由の伝え方」に自信を持って向き合うきっかけになれば嬉しいです。
不安なこともあるかもしれませんが、大丈夫。あなたの想いは、きっと伝わりますよ。
応援しています!

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